良知樹園のアンテナショップ「ONIWA」で
緑を媒体に心豊かな暮らしを提案する

庭の相談窓口＆モダン盆栽ワークショップ

造園業・良知樹園のアンテナショップとして、これまで「モダン盆栽づくり体験」をはじめ、各種ワークショップを開講していらっしゃいました。オープン当時の展望はどのようなことでしたか？

わたし、実は東京出身で、結婚する前は向こうで司会業を務めていました。庭のことはまったくの素人で、もともとイベント畑です。例えばモーターショーとかビジネスショー、芸能人の方とのトークショーなどなど。それは今もフリーランスとして続けていて、良知樹園の仕事と両立させています。

結婚を機に静岡へ来て、まず、自分の特技を活かしながら主人の仕事を手伝うことを考えたんですね。司会業と造園業の融合、というか。それで静岡の松坂屋様と伊勢丹様でモダン盆栽の展示会を開いた際、プレゼンテーションのようなことをしてみたんです。その展示会が評判を呼んだのがきっかけで、ほかにも伊勢丹さんなど主要なデパートからお呼ばれするようになりました。この流れに活路を見いだし、ONIWAをオープンした次第です。

ONIWAの根幹たるコンセプトとは？

庭に関する相談窓口として、緑を通して暮らしを豊かにするヒントを、お客さまに得ていただくこと。緑のあるライフスタイルのご提案ですね。土に触ったり緑を眺めたりすることは、人にとっての癒しだと思っています。ただ眺めるだけでなく一緒に造り、それを持ち帰りできて、自宅でも楽しめるという体験メニューとして、モダン盆栽やテラリウムづくりといったツールもあります。

ライフスタイルの提案ということで、あまり緑にとらわれすぎず、衣食住、さまざまな人たちとコラボしながら運営してきました。例えばフィトセラピー講座やローフード講座、フラワーアレンジメント講座、自然素材のジュエリー発表会など。お陰さまでこの5年間、たくさんの人たちとの出逢いに恵まれ、わたし自身の世界や夢も広がっています。

自家焙煎珈琲を楽しめる「ROSSi」

今まで2階にあったカフェがリニューアルされて、新たに「Caffe Bar ROSSi」がオープンしました。焼津の「カフェバール ジハン」に勤めていたバリスタの小山さんがオーナーですね。小山さんとの出逢いも先ほどおっしゃられたように、縁だったのですね。

はい。ONIWAの雰囲気が好きだという小山さんを紹介されました。今までは建物全体を良知樹園が運営してきたのですが、この秋より2階は小山さんのカフェとしてスタートしています。人が気軽に集まれる場所にしたいという小山さんの想いが、ONIWAのコンセプトにしっかりリンクしています。

実は、庭の相談窓口でありワークショップスペースとなっているこの1階。こちらも近い将来、ほかの方に引き継ぐ予定なんです。

え! それは、どのような経緯でしょうか？

今、新しい夢が動き出したんですよ。

海外進出。日本庭園の素晴らしさを伝えたい

2020年に東京オリンピックが予定されている影響もあってか、昨今あらゆる分野の“和”が世界に注目されています。良知樹園としては、日本庭園の美しさを海外に知ってほしい。そんな想いがありました。近々、ハワイとウクライナに拠点を構える予定で動いています。

そうだったのですね。日本人にとって馴染みのあるハワイはともかく、ウクライナは意外な気がします。

ウクライナって、とても親日なんですよ。日本の文化を取り入れたいという想いがあって、日本庭園も人気があります。一から造園できるので、主人も俄然やる気ですね。

ハワイは逆に、一から造るというよりも技術の提供です。向こうでは州の法律で、常に庭を美しく保たなければいけないお宅があります。そういったお宅に、例えば「透かし剪定」のような、日本人庭師が得意としている技術を提案していきます。

ONIWAは、今後どのように変わりますか？

来年には1階もフランス語教室の方に運営を引き継ぐ予定です。盆栽などのワークショップは、自然あふれる本社や海外での運営も増やしていきたいな、と考えています。

良知樹園という企業としても、ONIWAをきっかけとして数多くのお客さまに恵まれました。本当に、さまざまなご縁に感謝しています。日本のお庭の良さをもっと広く知っていただけるよう、精進したいと思います。