おいしい野菜を食べよう!人気の野菜料理レストランの達人シェフが語る、"別格野菜"へのこだわりとは
藤枝パークインホテル1階のベジ・テーブルダイニング「comodo」の店長を務める青島 理晃さん。野菜が美味しいレストランとして、女性ファンの多い人気店で、ランチタイムはなかなか入れないほど。なかでも、全国の生産農家から直接届く、四季折々の新鮮野菜が30種類以上も並ぶ「前菜野菜ビュッフェ」が好評です。“野菜料理の達人”青島シェフに、料理人になるきっかけ、野菜にこだわるようになった経緯についてお伺いしました。
取材日2016年9月29日
PROFILE
静岡県浜松市出身。高校卒業後、県内のホテルやレストランで修行を重ね、現在は、野菜がおいしいレストランとして人気の「comodo」(藤枝市)の店長を務める。今年7月にオープンしたスープカレー専門店「cancun」(静岡市)の店長としても奮闘。
家族の「美味しい!」が素直に嬉しかった…
料理人になったきっかけは?
小学校5年生のときかな。 母親が働きに出ていたので、三人兄弟の長男だった僕が夕飯の支度をしていました。 寂しい話になってしまいますが、当時は経済的な事情で、満足に食べることができませんでした。冷蔵庫にある限られた材料で、工夫しながらつくっていましたね。家族から「美味しい!」と言われると、素直に嬉しくて。料理って面白いと感じるようになりました。
また、そのころ一流ホテルのシェフの方がテレビ番組に出ているのを見て、カッコいいなあって。「自分もこんなふうになりたい」と思ったのが、プロの料理人を意識しはじめたきっかけです。
高校時代の3年間は、ホテルの和食レストランでアルバイトしました。バイトにもかかわらず小僧のような扱いで、かなり厳しかったですね。おかげで精神面は鍛えられましたけど(苦笑)。
高校卒業後はホテルのレストラン部門に就職しました。その後、県内のホテルをいくつかまわり、修行を重ねました。
今までやってきてことすべてが否定されるような衝撃!
ターニングポイントは?
磐田市にあるホテルで働いていたとき、生涯の師となる方と出会いました。
日本で名の知れた東京銀座の一流店で働いていたシェフなんですが、富士宮市で自分の店をオープンするまでの準備期間中、臨時シェフとして当ホテルに来ていたんです。
僕は彼のサブにつきました。
そのとき、今までやってきたことすべてが否定されたような衝撃を受けました。
技術力が桁外れに違いました。
素材は個々で違うから、分量通りにつくっても、同じ味を出すことはできないって。
同じ人間でも一人ひとり違うように、同じニンジンでも、甘みも、香りも、食感も違うわけです。
要は「素材を見極めろ」ってことなんですね。
調理する前に素材を必ず食べて、分量や作り方を調整するようにと言われました。
それまでは、分量も作り方も、マニュアル通りに行うことに注力していましたから。
その後はどうされたんですか?
僕も師匠について、富士宮のお店で修行をすることになりました。一年くらい彼のサブとしてマンツーマンで学びました。厳しかったけれど、毎日が新しい経験の連続で、充実していましたね。
それからも紆余曲折あって…。結婚を機にいったん料理の世界を離れて、トラックの運転手になったこともありましたが、結局、さまざまな縁があって今に至ります。
こんなに美味しい野菜があるなんて!“別格野菜”との出会い
野菜へのこだわりはいつから?
30代のころかな。イタリアンレストランの店長として働くようになり、生産農家さんとのお付き合いがスタートします。
初めは伝手がありませんでした。野菜市などで美味しい野菜を見つけては、それをつくっている農家さんの連絡先を電話帳で調べて、問い合わせて、実際に足を運んで…。少しずつネットワークを広げていきました。
なかでもカルチャーショックを受けたのが、千葉にある「ルコラステーション」さん。日本各地のこだわり野菜を扱う業者さんです。電話で問い合わせをしたところ、最初は相手にされませんでした。
なかには横柄な人もいるらしく「農家さんの気持ちがわからない人と取り引きしたくない」といった感じで「取り引きしたいんだったら、千葉まで畑を見に来てください」と言われました。
実際に千葉まで行きましたよ。そこで、別格野菜と出会いました。
別格??野菜?
はい、別格でした。 農家の方がその場で収穫して調理してくれるんですが、ニンジンにしてもジャガイモにしても、今まで味わったことがない美味しさに衝撃を受けました。
そのとき「これからは野菜だな」と直感したんです。日本にもまだこんなにパンチのある美味しい野菜があることを、料理を通して、一人でも多くの皆さんに知らせたいと思いました。
実際に畑まで足を運ぶと「今、新種の野菜を試作しているんだけど、食べてみて」という流れになることが多く、電話やメールでは得られない生きた情報を収穫できます。
僕自身もお客さまにお伝えするのに、自分の目で確かめないと熱く語れないですからね。思い立ったら畑に行っています(笑)。
時間があるときは、静岡県内はもちろん山梨や長野の方まで車を走らせ、食材探しに行ったりします。
別格フルーツを使ったジャムやドレッシングづくりも
今後の挑戦は?
最近は果物にも注目をしています。鳥取県から取り寄せている宇宙一甘い濃厚すぎるイチジクなど、別格野菜ならぬ、別格フルーツがあるんです。
全国各地の別格フルーツを使って、素材の美味しさを活かしたシンプルなジャムやドレッシングづくりもしています。comodoの店頭でも販売していますので、ぜひ、お試しください。
青島 理晃さんのパワーの源
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日帰り温泉
ドライブがてらぶらっと立ち寄ります。おすすめは山梨県の「ほったらかし温泉」です。朝は日の出の1時間前から入浴できるので、感動の日の出を拝むこともできますよ。
●ほったらかし温泉(山梨県山梨市)
http://www.hottarakashi-onsen.com/ -
生産農家さんとの出会い
情熱とこだわりを持って野菜づくりをしている農家さんと触れ合うことで、たくさんのエネルギーをもらっています。
店舗インフォメーション
- 店舗名
Vege-table Dining comodo(コモド) - 住所
藤枝市駅前2-12-16 藤枝パークインホテル1階 - TEL
054-643-4311 - 営業時間
ランチ 11:30~14:30(LO 14:00)
ディナー 17:30~22:30(LO 21:30) - 定休日
日曜
- 店舗名
cancun(カンクン) - 住所
静岡市葵区伝馬町8-5 朝日ビル2F - TEL
080-2616-0009 - 営業時間
ランチ11:30~17:00
ディナー17:00~22:30(LO22:00) - 定休日
不定休
インタビューを終えて
今でこそ、野菜料理がもてはやされていますが、青島シェフは20年ほど前から野菜の奥深い魅力にハマり、美味しい野菜を探し求めて、全国各地の畑へ足を運んでいます。
青島シェフがが店長を務める「comodo」では、そんな彼のお目にかなった野菜たちが、創意工夫の調理法や味付けで食べられます。ヘルシーだからもりもり食べても罪悪感なし!基礎代謝低下気味の大人女子の強い味方です(苦笑)。
これからもサプライズ感あふれる野菜料理を楽しみにしています!今日はありがとうございました♪