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ガン征圧を目指して心を一つに。来年もここに来る!その気持ちが生きる力に。

『リレー・フォー・ライフ』とは、がん患者さんやそれを支えるご家族を支援するチャリティ活動。
アメリカで、たった一人の医師が始めたこの活動は多くの人々から支持され、世界中に広がりました。
日本でも約10年前、『一人でも多くのがん患者さんに希望と勇気を与えたい!』
-そんな強い気持ちを持った、7人のがんと闘う人たちがインターネットを通じて出会いました。
これはまさに奇跡の出会い-これが『リレー・フォー・ライフジャパン』の誕生です。
その7人の中にはもう、他界されている方も。今回、そんな仲間の遺志を継ぎ、活動を続けておられるお二人にお話を伺いました。

取材日2015年9月12日

澄み渡った空の下、始まったリレー・フォー・ライフ。会場の静岡県立大学芝生園地にはたくさんの団体が集結しました。

PROFILE

ケアギバー(がん患者のご遺族)である藤田さん。
17歳の息子さんをがんで亡くされました。自分たちの次の世代の子供たちにこんな思いをさせないために、自分に何ができるのか?そんな思いが藤田さんをリレー・フォー・ライフへと導きました。テレビやインターネットを通じてリレー・フォー・ライフという活動を知り、『チームピノコ』というチームで東京お台場から参加し、活動の運営を支えている。

PROFILE

チーム「がんでもいいじゃん♪」に所属し、現在はリレー・フォー・ライフジャパン静岡実行委員会の事務局長を務める神波さん。家族がサバイバーになったことをきっかけに、インターネットを通じてリレー・フォー・ライフを知り、アメリカでの参加者たちの力強い姿に感銘を受ける。
2006年新横浜青葉公会堂の「RFL日本版を考える会」から参加し、現在まで活動を続けている。

アメリカのガン患者さんの笑顔とパワーを目の当たりに

リレー・フォー・ライフを日本で開催しようと思ったきっかけは何ですか?

私が初めてリレー・フォー・ライフを知ったのはNHKの番組でした。

映像の中で私が見たのは、笑顔でウォーキングする、とても楽しそうで希望に満ち溢れたがん患者さんやその家族の方々の姿でした。24時間タスキをつなぎ、無事ゴールしたサバイバーやケアギバー、そしてそれを支援するボランティアの方々も、みんなが笑顔で、お互いをたたえ合っていました。

「がん」というつらい病気と向き合い、苦痛と不安を抱えながらの生活をしている方も多い中、彼らはとても前向きでした。家族が同じ病気を抱える人間として、これは本当に衝撃的な出来事でした。そして、こんな素晴らしい活動を日本でもできないか?と思ったのがきっかけです。(神波さん)

運営スタッフの中にはサバイバー(がん患者さん)、ケアギバー(がん患者さんのご家族)も。ボランティアの方もみんなが笑顔でこの活動を支えています。

最初の難関・・・それはリレー・フォー・ライフを知ることだった

日本では全く知られていなかったリレー・フォー・ライフですが、活動を始めるのに大変だったことは?

そうですね。最初は私たちもリレー・フォー・ライフについてなんの知識もありませんでした。

どこへ行ったらいいのか?誰に聞けばいいのか?どんなルールがあるのか?

全くの手探り状態からですから、やっぱりそれが大変でしたね。

インターネットで知り合った仲間7人が初めて新横浜で集まり、お互いの想いを語り、どうやって運営したら良いのかを話し合いました。メンバーの中の英語に秀でていた「葉っぱさん」がアメリカ対がん協会のリレー・フォー・ライフについての文章を翻訳し、みんなにわかり易く説明してくれました。

そこで初めてリレー・フォー・ライフを開催するにはライセンスが必要なこと、24時間(日没から夜明けまでの夜間越え)開催しなければいけないことなど5つの決まりごと(現在は7つ)を知りました。(神波さん)

金額の大小にかかわらず、まずは参加し、この活動を知ってほしい。そんな思いが込められた募金箱です。

初年度は2か所。それが今や全国47か所で開催される規模の活動に!

たった7人から始まったリレー・フォー・ライフ。最初の開催はどんな様子だったのですか?

2006年筑波での8時間のプレ開催が始まりでした。これは夜間越えしなかったので第一回目とはカウントされませんでした。

翌年、第一回目を芦屋で開催し、2週間後にお台場で開催することができました。当初この活動が浸透してくるまで、寄付金を集めるという行為を詐欺だと誤解されてしまうことも少なくありませんでした。

それが毎年規模が大きくなり、製薬会社、生命保険会社、医師会、学生さんなど、多くの団体の支援もあり、日本中で開催できるようになりました。

昨年はなんと47か所!本当に嬉しい限りです。主に8月~10月、9月のガン征圧月間に合わせて開催されます。これからもたくさんの方にこの活動に参加していただきたいですね。(藤田さん)

色々な団体が催し物をしながら募金を募ります。ここではかわいいナースさんに出会うことができました。小さなお子さんも楽しく参加できる催し物がいっぱいです。

リレー・フォー・ライフは同じ空の下で時間を共にし、明日への元気をもらう場所

サバイバーさんたちは、毎年どんな思いでリレー・フォー・ライフに参加されているのですか?

ここに来るとたくさんの仲間に会うことができます。

先に逝ってしまった仲間のことを思い出し、偲ぶ機会にもなります。

同じ病気と付き合っている仲間に会い、同じ空の下で24時間を過ごすことで、気持ちが前向きになり、勇気を出して「私はサバイバーです。」と言うことができるようになった人もいます。自分がここに来られたことを喜び、来年もまたここに集まろう!と約束をして帰っていきます。それが生きる力になっていることを、毎年実感せずにはいられません。

夜にはたくさんのメッセージが込められた「ルミナリエ」に火が灯ります。

タスキをつなぐ人たちの道を明るく灯してくれます。その一つ一つを見ながら歩くと、本当にたくさんの勇気と元気をもらいます。

実はこのルミナリエ、上から見ると文字が浮かび上がってくるんですよ。

HOPE「希望」という文字です。これを見降ろしながら、また来年もここに来たい!と思うことができました。多くのサバイバーさんがそんな思いを抱きながら参加してくださっています。(藤田さん)

県立大学の校舎を昇っていくと見降ろせるこの「HOPE」の文字。言葉通り希望の光が夜の参加者の道しるべになります。

参加者の足元を照らすルミナリエ。がんと闘っているサバイバーへ、家族へ、友人へ、一つ一つに温かいメッセージが込められています。

インタビューを終えて

私は今年初めてこの「リレー・フォー・ライフ」という活動を知り、参加しました。

リレー・フォー・ライフ静岡さんのフェイスブックをご覧いただくとわかるのですが、これが開催されるまで、休日返上で委員会の方々が集まり、綿密な打ち合わせを重ねてこられました。ここで集まった寄付金は、日本対がん協会を通じて小学校でのがん教育や、新薬の開発、がん検診の啓発などに役立てられ、一部がこのリレー・フォー・ライフの運営資金にも充てられます。いつかがんで苦しむ人がいない世界になりますように…そんな強い願いのこもった活動に、本当にみんな笑顔で、一生懸命に取り組まれていたことに感動しました。

24時間でなくても、ほんの少しでも参加して、タスキをつないでみませんか?

ルミナリエにメッセージを込めることで、参加してみませんか?

色々な団体が、バザーやグッズ販売、映画上映、マッサージや子供たちが楽しめる体験ゲームなどを開催し、お祭りのように楽しいイベントになっています。

気軽に参加し、楽しい時間を共有するだけで良いのです。

もっともっとたくさんの方に知って欲しい。そして、もっともっとたくさんの方に参加していただきたいと思います。

静岡県内では今年、静岡市の他に長泉町でも開催されました。

しずおか賢人としても、来年も再来年もこの活動を応援していきたいと思っています。

リレーフォーライフのインフォメーションはこちらから

お問い合わせ先